肝臓の位置と関連痛領域について図で解説

肝臓の概要

肝臓の場所

  • 位置:右上腹部。上は横隔膜、下は胃・横行結腸・右腎などに接する。

  • 大きさ:体重の約2%(60kgで約1.2kg)。

  • 再生力:部分切除後も元の大きさに近づく“再生能”が高い臓器。

主な機能(3本柱)

肝臓の後下方

  1. 胆汁の産生:脂肪消化を助け、胆汁は総肝管→胆嚢に貯蔵→総胆管→十二指腸へ。

  2. 代謝・貯蔵:糖(グリコーゲン)、脂質、タンパク、ビタミン・鉄の貯蔵・変換。

  3. 解毒:薬物やアンモニア等を無毒化。

  • 血流:門脈(約80%)+肝動脈(約20%)から供給。

症状の出方(目安)

  • 慢性肝障害:だるさ、食欲低下、軽い上腹部不快感など症状に乏しいことが多い。

  • 急性肝炎:発熱、悪心・嘔吐、著しい倦怠感、黄疸(尿が濃い・皮膚や眼球が黄いろ)など。

  • 要受診のサイン:黄疸、38℃以上の発熱、持続する右上腹部痛・背部痛、原因不明の体重減少、出血しやすい・あざが増える、黒色便など。

関連痛(リファードペイン)

肝臓の関連痛領域

  • 前面右頚部〜肩上面に出やすい。

  • 後面右上背部に限局することが多い。

  • 理由:肝被膜は**横隔神経(C3–5)**の知覚入力を受け、C3–5領域(頚〜肩)に“錯覚した痛み”として投射されやすい。

神経学的メモ(臨床向け)

  • 交感:T7–T10(大・小内臓神経)

  • 副交感:迷走神経

  • 体表の圧痛点(例:右第5–7肋間、胸椎T5–6傍脊柱)は補助所見に過ぎず診断的ではない手技の適応は内科評価後に。

肝臓の圧痛点

まずどうする?

  • 黄疸や強い右上腹部痛があれば速やかに受診

  • 慢性的なだるさ・軽い上腹部不快が続く場合も、採血(肝機能・胆道系)と腹部エコーで原因確認を。

  • 既往薬・サプリ・飲酒量は必ず医師へ共有(薬剤性・アルコール性の鑑別に必須)。


Q&A

Q1. 右肩こりが続きます。肝臓が原因?
A. 多くは筋骨格性ですが、右上腹部の不快・黄疸・発熱などを伴うなら内科受診を。関連痛のみで断定はできません。

Q2. お酒をやめれば肝臓は回復しますか?
A. アルコール性なら禁酒は最重要。ただし脂肪肝、ウイルス、薬剤性、自己免疫など原因は多岐。自己判断せず検査を。

Q3. 市販の肝サプリは効きますか?
A. 有効性は症例依存で医学的根拠が乏しいものも多い医師の指示に基づく治療・生活改善(禁酒、体重・食事管理)が優先です。

Q4. どの科に行けばよい?
A. 内科/消化器内科へ。必要に応じて採血(AST/ALT/ALP/γ-GTP/ビリルビン)、腹部エコー、造影CT/MRCPなどを行います。


最終更新:2025-10-07