O脚の原因と判定方法について

内反膝(O脚)の判定方法とその原因について、わかりやすく解説していきます。

O脚の判定方法(視診)

内反膝を判定する方法として、両足を揃えて立ち、両膝の隙間(大腿内側顆間距離)が2横指以上離れている場合を内反膝とします。

内反膝は大きく分けて、構造的内反と機能的内反の2つがあり、どちらに該当するかを鑑別することは治療において非常に重要です。

画像診断による判定方法

膝関節の構造的な内反を判定するためには、単純X線写真から大腿脛骨角(FTA)を計測する必要があります。

正常では170〜176度の範囲をとりますが、これが構造的な内反膝では180度以上となります。

変形性膝関節症では荷重時に内反傾向が増大しますので、片脚立位時に内反が変化するかを確認することも大切です。

単純X線写真で内反膝が認められず、前述した視診で内反膝が認められる場合は、見かけ上のに内反膝(機能的内反)が疑われます。

構造的内反膝

変形性膝関節症(O脚)は扁平足のヒトに多いですが、その原因のひとつに歩行時(片脚立位時)に下肢外方傾斜が起こることが挙げられます。

下肢外方傾斜が起こると脛骨に外方弯曲方向へのストレスが加わり、徐々に骨性の変形が進むことにも繋がります。

骨盤が外側に流れると脛骨には外旋方向の捻れが発生し、下腿外旋症候群を引き起こすことになります。

修正方法としては、荷重のかけ方の矯正(片脚立位時に足部の直上に股関節が来るように調整)したり、インソールなどで対処していきます。

機能的内反膝(見かけ上の内反膝)

骨盤の後傾または後方回旋が存在すると、大腿骨は外旋位(ガニ股)となり、見かけ上の内反膝を呈します。

修正方法としては、両膝を近づけたままで床に両膝をつき、足先を外側に出すようにして「女の子座り」を行います。

基本的に股関節内旋位では外反膝に見えますが、膝関節が過伸展している場合は内反膝に見えるケースも存在しています。

修正方法としては、股関節周囲の筋バランスを整えて、股関節伸展・外転・外旋筋群を強化するエクササイズが重要となります。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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