長内転筋の概要
長内転筋は恥骨筋の下方を並走し、大内転筋の前方に位置する内転群の表層筋。
股関節の内転が主作用だが、屈曲約60°前後を境に作用が屈曲→伸展へ移行する“角度依存”の特徴をもつ。
過緊張・短縮は股関節外転時の鼡径部痛やスポーツ時のグロイン痛の一因になりやすい。
基本データ
| 項目 | 内容 |
| 支配神経 | 閉鎖神経の前枝 |
| 髄節 | L2-4 |
| 起始 | 腸骨上枝(恥骨結節の下方) |
| 停止 | 大腿骨粗線の内側唇中部の1/3の範囲 |
| 栄養血管 | 閉鎖動脈 |
| 動作 | 主:股関節内転 従:股関節屈曲(※屈曲≳60°で伸展寄与へ移行) |
| 筋体積 | 188㎤ |
| 筋線維長 | 8.3㎝ |
| 速筋:遅筋(%) | 50.0:50.0 |
運動貢献度(臨床目安)
| 運動 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 股関節内転 | 大内転筋 | 長内転筋/短内転筋 | 薄筋(体位依存) |
| 股関節屈曲(0–60°) | 腸腰筋 | 長内転筋 | 縫工筋 など |
| 股関節伸展(屈曲>60°からの戻し) | 大内転筋(後部) | 長内転筋 | 大殿筋 |
※「大殿筋下部が内転に寄与」は体位・角度依存で限定的。
触診・評価(MMTのコツ)

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開始肢位:軽度外転位から内転+わずかに屈曲を誘導するとALが立ち上がりやすい。
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触診ライン:恥骨付着部から大腿内側中央へ走る索状の盛り上がり。
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抵抗:大腿内側遠位を把持し、**外側方向(外転)**へ押し戻す。
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代償:骨盤回旋・体幹側屈、股関節内外旋の逃げに注意。
ストレッチ方法

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体位:バタフライ(あぐら)またはハーフニーでの前方シフト。
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方法:骨盤を前傾のまま股関節外転+軽伸展方向へ。
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コツ:腰椎屈曲や骨盤回旋でのごまかしを避け、鼡径部の張り感まで。痛みが出る角度は回避。
筋力トレーニング

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チューブ/ケーブル内転(立位・側臥):骨盤正対、股関節回旋は中間。
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ボール/タオル挟み等尺:膝90°で内転等尺→反復。
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フォーム:骨盤の水平保持、膝の内向き(ニーイン)や回旋に逃げない。
トリガーポイント(TP)

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主訴:内ももの深部痛〜恥骨寄りのうずくような痛み、ときに膝内側や鼠径部への放散。
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誘因:サッカーのインサイドキックや方向転換、股関節外転位からの力発揮、長時間の騎乗・あぐらなどでの内転筋の持続収縮。
最終更新:2025-10-07



