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通所介護/デイサービスの変更点をわかりやすく解説2015


ここでは、通所介護/デイサービスの介護報酬改訂に伴う変更点をわかりやすく説明していきたいと思います。

通所介護は大幅な減額

今回の改訂では、訪問系や24時間対応型のサービスが増額した一方で、特養や通所系のサービスが減額となりました。以下に具体的な増減額を記載します。

事業所 増減幅
訪問介護 +4.8%
訪問看護 +2.3%
通所介護/デイサービス -1.6%
特別養護老人ホーム -2.4%
老人保健施設 -0.2%
24時間の定期巡回・随時対応 +4.5%
看護小規模多機能型の在宅介護 +3.8%
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基本報酬の見直し

今回の介護報酬改訂で、通所介護の単位はガッシガシに削られることになりました。特に小規模型通所介護の削られ方は激しく、今回の改訂で最大の減額である「-9.8%」を記録したほどです。

もはや潰しにかかってるとしか言えない状況です。実際に、事業が成り立たないとして改定前に撤退を決めた事業所がいくつも出てきています。

今後は大衆的で効率的な大規模デイサービスが主流となるかもしれません。それはある意味で、認知症などの方に対する細かなサービスは廃止して、より効率的で画一的なサービスを評価したと言えるのではないでしょうか。まあ予算がないのですから仕方ないですけどね。

基本報酬の算定単位(一部抜粋)

1.小規模型通所介護費の場合(7時間以上9時間未満)

従来 改訂 比較
要介護1 815 735 -80
要介護2 958 868 -90
要介護3 1108 1006 -102
要介護4 1257 1144 -113
要介護5 1405 1281 -124

2.通常規模型通所介護費の場合(7時間以上9時間未満)

従来 改訂 比較
要介護1 695 656 -39
要介護2 817 775 -42
要介護3 944 898 -46
要介護4 1071 1021 -50
要介護5 1197 1144 -53

 3.大規模型通所介護費(Ⅰ)の場合(7時間以上9時間未満)

従来 改訂 比較
要介護1 683 645 -38
要介護2 803 762 -41
要介護3 928 883 -45
要介護4 1053 1004 -49
要介護5 1177 1125 -52

4. 介護予防通所介護費(単位/月)

従来 改訂 比較
要支援1 2155 1647 -508
要支援2 4236 3377 -859

要支援の削られ方は著しく、なるべくサービスを利用しないでくれと言わんばかりの状況ですね。これまでは経営が適当でもある程度やってこれたでしょうが、今後は本当にシビアな状況になると思います。そこでまず削られるのは人件費(主にボーナス)だと思いますので、介護職員離れの加速はさらに激しくなるのではないでしょうか。

介護職員処遇改善加算の加算率

加算(Ⅰ) 4.00%
加算(Ⅱ) 2.20%

職員離れは加速すると書きましたが、介護職員の処遇改善加算は増加しており、政府の方針では月給で1万2000円ほど上げるとのことです(実際はそんなに上がりませんけど)。賃金を上げることは素晴らしいのですが、それを支払う経営者の方々はさらに苦しくなると思います。

介護職員処遇改善加算の加算要件

従来の介護職員処遇改善加算の要件に同じです。

認知症加算

認知症や重度の要介護者は施設などに入れられることが多いですが、在宅サービスでみている事業所をより優遇できるように今回から認知症加算が新設されることになりました。算定単位は60単位/日ですので、かなり高めの加算となっています。

認知症加算の算定要件は以下になります。

  1.  指定基準に規定する介護職員又は看護職員の員数に加え、介護職員又は看護職員を常勤換算方法で2以上確保していること
  2. 前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の利用者の占める割合が100分の20以上であること
  3. 指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる認知症介護指導者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修等を修了した者を1以上確保していること。

中重度者ケア体制加算

こちらも認知症加算と同様で、介護を要する人たちを中心にみている事業所を評価しようという考えから新設された加算です。算定単位は45単位/日ですので、利用者が多ければバカにできない加算となっています。

中重度者ケア体制加算の算定要件は以下になります。

  •  指定基準に規定する介護職員又は看護職員の員数に加え、介護職員又は看護職員を常勤換算方法で2以上確保していること
  • 前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が100分の30以上であること
  • 指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を1以上確保していること

個別機能訓練加算の増額

従来 改訂 比較
個別機能訓練加算(Ⅰ) 42 46 +4
個別機能訓練加算(Ⅱ) 50 56 +6

個別機能訓練加算の算定要件

個別機能訓練加算(Ⅰ)

従来の個別機能訓練加算(Ⅰ)の要件に加えて、居宅訪問の条件が追加されます。

個別機能訓練加算(Ⅱ)

従来の個別機能訓練加算(Ⅱ)の要件に加えて、居宅訪問の条件が追加されます。

  • 機能訓練指導員等が利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画を作成し、その後3月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問した上で、利用者又はその家族に対して、機能訓練の内容と個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、訓練内容の見直し等を行っていること。

個別機能訓練加算計画書について

今回の改定により、個別機能訓練加算を算定する場合は、①興味・関心チェックシート、②居宅訪問チェックシートの作成が必要になりました。以下のURLから変更になった様式をダウンロードすることができますのでご利用ください。

地域連携の拠点としての機能の充実

地域で利用者を支えていくために、生活相談員の専従要件を緩和することになりました。それにより、サービス担当者会議に加えて地域ケア会議への参加なども可能となるようです。

Q&Aより抜粋

Q.生活相談員の勤務延時間に、「地域の町内会、自治会、ボランティア団体等と連携し、利用者に必要な生活支援を担ってもらうなど社会資源の発掘、活用のための時間」が認められたが、具体的にはどのようなものが想定されるのか。また、事業所外での勤務に関しては、活動実績などの記録を保管しておく必要があるか。
A.例えば、以下のような活動が想定される。

  • 事業所の利用者である要介護者等も含んだ地域における買い物支援、移動支援、見守りなどの体制を構築するため、地域住民等が参加する会議等に参加する場合
  • 利用者が生活支援サービスを受けられるよう地域のボランティア団体との調整に出かけていく場合

生活相談員の事業所外での活動に関しては、利用者の地域生活を支えるための取組である必要があるため、事業所において、その活動や取組を記録しておく必要がある。

看護職員の配置基準の緩和

看護職員が不足していることを考慮し、病院やクリニック、訪問看護ステーションと連携し、健康状態の確認を行っている場合は、人員配置基準を満たすことができるようになりました。以前は以下の基準から、「定員が10人以下」と限定されていましたが、その条件がなくなったと考えてもいいと思われます。

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)

【第九十三条】指定通所介護の事業を行う者(以下「指定通所介護事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下 「指定通所介護事業所」という。)ごとに置くべき従業者(以下この節から第四節までにおいて「通所介護従業者」 という。)の員数は、次のとおりとする。

  1. 看護師又は准看護師(以下この章において「看護職員」という。) は、指定通所介護の単位ごとに、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員が一以上確保されるために必要と認められる数。
  2. 当該指定通所介護事業所の利用定員(当該指定通所介護事業所において同時に指定通所介護の提供を受けることができる利用者の数の上限をいう。以下この節から第四節までにおいて同じ。)が十人以下である場合にあっては、前項の規定にかかわらず、看護職員及び介護職員の員数を、指定通所介護の単位ごとに、当該指定通所介護を提供している時間帯に看護職員又は介護職員(いずれも専ら当該指定通所介護の提供に当たる者に限る。)が勤務している時 間数の合計数を提供単位時間数で除して得た数が一以上確保されるために必要と認められる数とすることができる。

Q&Aより抜粋

Q.病院、診療所又は訪問看護ステーションとの契約で確保した看護職員は、営業日ごとに事業所内で利用者の健康状態の確認を行う必要があるが、その場合どの程度の従事時間が必要か。また、事業所に駆けつけることができる体制とは、距離的にどの程度離れた範囲までを想定しているのか。
A.健康状態の確認を行うために要する時間は、事業所の規模に応じて異なるため、一概に示すことはできないが、利用者全員に対して適切に健康状態の確認を行えるように病院、診療所又は訪問看護ステーションと契約を結ぶ必要がある。また、事業所に駆けつけることができる体制に係る距離的概念については、地域の実情に応じて対応するため、一概に示すことはできないが、利用者の容態急変に対応できるよう契約先の病院、診療所又は訪問看護ステーションから適切に指示を受けることができる連絡体制を確保することでも密接かつ適切な連携を図っていることになる。

送迎時における居宅内介助等の評価

これは、送迎時にスタッフがベッドへの移乗や窓の施錠などを行った場合に、その時間も通所リハの所要時間に含めていいですよといった内容になります。もしかしたら、これでかなり助かる施設もあるかもしれません。

算定要件として、居宅サービス計画と通所リハビリテーション計画に内容が記載されており、介助時間は30分以内にすることです。また、ちなみに居宅内介助等を行う者は、介護福祉士、介護職員初任者研修修了者等となっています。

延長加算の拡大

今回の改正で、延長加算の範囲が拡大となりました。延長時間が長くなることによって、仕事と介護の両立が可能となり、介護によって離職しなければならなくなる人たちの数が減るかもしれません。算定単位は、12-13時間(200単位)、13-14時間(250単位)となります。

送迎がされない場合の見直し

利用者が自ら通う場合など、事業所が送迎を実施していない場合は、片道につき「-47単位/回」の減算対象となりました。

今回の改訂は悪いところばかりではない?

上記の内容だけをみると、もうデイサービスなんてやっていけないとなりそうですが、実はそうでもないのです。今回の改訂では、デイケアや訪問リハビリを卒業させるように強く働きかけているので、その後釜としてデイサービスにどっさりと移行してくる可能性があります。

具体的には、新設される「社会参加支援加算」や「生活行為向上リハビリテーション加算」を導入している施設が対象になりますので、それらを加算している施設の近くにあるデイサービスは確実に恩恵を受けることができます。

こんな減算改訂なので、これからデイサービスを新しく作ろうと思う企業は稀だと思います。しかし、上述したように卒業を積極的に促している施設の近くにはチャンスがあります。

受け皿さえ作っておけば、自然と溢れてくるものが乗っかりますので、これから作るなら通所リハや訪問リハ事業所の近くに大規模型デイサービスを立てることです。

既存のデイサービスを持たれている方は、積極的にケアマネと連絡を行い、卒業したあとに自分のところへ利用者を回してもらえるようにしておくことが大切になります。そのためにも、地域包括支援センターや病院勤務のケアマネには媚びを売っておいて損はないと思います笑。

報酬比較表(要介護)

報酬項目 従来 改訂 備考
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 5% 5% 継続
入浴介助加算 50 50 継続
中重度者ケア体制加算 45 新設
個別機能訓練加算 (Ⅰ) 42 46 増額
(Ⅱ) 50 56 増額
認知症加算 60 新設
若年性認知症利用者受入加算 60 60 継続
栄養改善加算 150 150 継続
口腔機能向上加算 150 150 継続
個別送迎体制強化加算(療養通所介護のみ) 210 新設
入浴介助体制強化加算(療養通所介護のみ) 60 新設
事業所と同一建物に居住する者又は同一建物から利用する者に通所介護を行う場合 -94 -94 継続
事業所が送迎を行わない場合(片道につき) -47 新設
サービス提供体制強化加算 (Ⅰ)イ 18 新設
(Ⅰ)ロ 12 12 継続
(Ⅱ) 6 6 継続
(Ⅲ) 6 6 継続
介護職員改善処遇改善加算 (Ⅰ) 所定単位×40/1000 新設
(Ⅱ) 所定単位×19/1000 所定単位×22/1000 増額
(Ⅲ) (Ⅱ)×90/100 (Ⅱ)×90/100 継続
(Ⅳ) (Ⅱ)×80/100 (Ⅱ)×80/100 継続

報酬比較表(要支援)

報酬項目 従来 改訂 備考
介護予防通所介護費/月 要支援1 2,099 1,647 -21.54%
要支援2 4,205 3,377 -19.69%
入所定員の超過、または職員等の欠員減算 70/100 70/100 継続
通常の事業の実施地域を超えた地域の利用者に行った場合(加算) 5% 5% 継続
若年性認知症利用者受入加算 240 240 継続
事業所と同一建物に居住する者又は同一建物から利用する者に介護予防通所リハビリテーションを行う場合 要支援1 -376 -376 継続
要支援2 -752 -752 継続
運動器機能向上加算 225 225 継続
栄養改善加算 150 150 継続
口腔機能向上加算 150 150 継続
選択的サービス複数実施加算(Ⅰ) 運動器機能向上及び栄養改善 480 480 継続
運動器機能向上及び口腔機能向上 480 480 継続
栄養改善及び口腔機能向上 480 480 継続
選択的サービス複数実施加算(Ⅱ) 運動器機能向上、栄養改善及び口腔機能向上 700 700 継続
事業所評価加算 120 120 継続
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イ 要支援1 72 新設
要支援2 144 新設
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)ロ 要支援1 48 48 継続
要支援2 96 96 継続
サービス提供体制強化加算(Ⅱ) 要支援1 24 24 継続
要支援2 48 48 継続
介護職員改善処遇改善加算 (Ⅰ) 所定単位×40/1000 新設
(Ⅱ) 所定単位×19/1000 所定単位×22/1000 増額
(Ⅲ) (Ⅱ)×90/100 (Ⅱ)×90/100 継続
(Ⅳ) (Ⅱ)×80/100 (Ⅱ)×80/100 継続

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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